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プロ弁護士が語る!退職代行が詐欺か心配な方のための全知識

「退職代行って詐欺じゃないの?」「退職代行業者にお金を振り込んでしまったが、実は詐欺なのではないか?」と思っていませんか?

結論から言うと、退職代行業者を運営するにあたり特に必要な許認可は必要ないため、詐欺である可能性を完全に否定することはできません

このページでは数々の退職代行の相談・依頼を受けてきた弁護士が「退職代行が詐欺なのではないか?」と心配な方のために必要な全知識をまとめております。

このページを読めば「退職代行って詐欺ではないのか?」と心配なあなたが取るべき行動の全てがわかります。

1. 退職代行は詐欺ではないの?

退職代行についてはここ最近非常に「画期的なサービスである」と注目を集めているため、様々な退職代行業者が存在する状況と思います。

本章では退職代行が詐欺である可能性を示唆する情報をまとめてみました。

1-1. 悪質な業者も存在する?

実際に以下の例のような業者も存在するのかもしれません。

ストーカー規制法で社長が逮捕された会社(法人)が社名を変えて
同様のサービスをしているので詐欺に遭わないように気おつけてね!

引用:【バックレは】退職代行サービスを使ってみたいんやが【したくない】

以下のように同様の記載を行っている別のサイトも存在するため、信憑性はそれなりに高いのかもしれません。

私の知人が退職したいというので以前、相談してもらった
法人を紹介しようとして検索したら、
そこの代表者がストーカー規正法違反容疑逮捕されちゃってました。
いまでも代表者と看板を変えて運営してるのが商魂たくましいです。
ちなみに退職電話代業者ランキングサイトで、そこが1位になってました。
かなりお客を舐めてますね。

引用:新卒で早速辞めた男のブログ2015

上記の例が実際に存在する業者は不明ですが、悪質な業者にひっかからないように注意する必要があると思います。

1-2. 足がつく詐欺は存在しない?

一方で、足がつく詐欺は存在しません、という以下のような意見もあるようです。

そんなすぐに足が付く詐欺はしません

引用:Yahoo!知恵袋

しかしながら、弁護士として仕事を行っていると、いわゆる振り込め詐欺やヤフオク詐欺といった古典的な詐欺もまだまだ存在するのが実情です。

すぐに足が付くからといって、詐欺ではないということはないのではないかと思います。

2. おすすめの退職代行業者?

インターネット上で少し調べてみると、おすすめの退職代行業者はこちら!、ですとか退職代行業者のランキングを紹介しているサイトが見受けられます。

全てのケースで必ずしもそういうわけではないですが、どうやら「アフィリエイト」を使って退職代行業者が広告を行っているようです。

アフィリエイトにて集客を行っている退職代行業者に依頼を行った場合、退職代行の原価にアフィリエイトの費用(広告宣伝費)が上乗せされるため、一般論としては退職代行の費用が高額になる傾向が存在するのではないかと思います。

3. 第三者になりすます退職代行業者も?

また、インターネット上で少し調べてみると、どうやら「母親等の親族になりすまして会社に電話を行う」というような退職代行業者が存在するようです。冷静に考えてみてください。退職を行い転職を行った後、次の会社から前の会社に問い合わせが入ることもあると思います。

ふとしたことから、「母親を装った第三者から電話がかかってきて・・・」と次の会社に知られてしまった場合、転職自体が難しくなるのではないでしょうか。退職をお考えの方が退職を焦っていることは、十分分かります。

しかし「親族等になりすまして電話をかけてもらう」という行為自体が道義的に間違っているのではないでしょうか。特に次の転職先に知られてしまった場合のリスクを考えると、このような方法を用いるべきではないでしょう。

4. 弁護士に依頼をする際のポイント

「退職したいけど、はぐらかされてしまう」「退職したいけどなかなか自分から言い出せない」「退職代行業者に依頼をするのは抵抗がある・・・」と、お考えの方は、弁護士に依頼を行うことをおすすめします。

本章では退職代行を弁護士に依頼する際のポイントをご紹介します。

4-1. 取扱分野を見る

退職代行を取り扱っているか否かは、その法律事務所の取扱分野のページを見れば分かるかと思います。

取扱分野に退職代行の記載のない法律事務所は、退職代行を取り扱っていないかもしれないので、依頼を行わない方が良いでしょう。

4-2. 労働法についての知見

労働法関連の分野については比較的多くの弁護士が携わったことがあるかと思います。一度も労働法関連の分野に携わったことのない弁護士の方が少ないかと思いますが、そのような弁護士も存在するのもたしかです(交通事故専門の弁護士など)。

退職代行を依頼するのであれば労働法についての知見が存在する弁護士が良いのではないかと思います。

労働法についての知見が存在するか否かを見極めるポイントは以下のとおりです。

  • 法律相談内に労働分野の経験があるかどうかを聞いてみる
  • 司法試験の選択科目が労働法であること

この2点について詳述します。

法律相談内に労働分野の経験があるかどうかを聞いてみる

弁護士に退職代行について、今後の流れやこれまでの例を聞いてみることが最も重要な要素と思います。直接弁護士と話して見たときに「この人なら大丈夫」と思える弁護士であれば、その弁護士に依頼を行って差し支えないと思います。

反対に、少しでも不安が残るようであれば、依頼を行わない方が良いでしょう。

参考までに、弁護士と話すときのポイントを記載します。以下のようなポイントに着目すると良いと思います。

  • 退職代行の料金についての説明が明快
  • 質問に対してしっかり答えてくれる
  • 懲戒歴がない

特に「料金」については「しつこい」と思うくらい聞いてみて差し支えないでしょう。

弁護士に依頼を行うのは一生に何度もあることではないので、弁護士費用について心配になる方が多いかと思います。

「料金」について訪ねたときに、はぐらかしたり嫌な顔をするような弁護士には依頼を行わない方が良いかと思います。

司法試験の選択科目が労働法

実は、労働法は司法試験の必須科目ではありません。実務的に多くの問題が存在することから多くの弁護士が取り扱ったことはあるかと思いますが、取り扱ったことのある程度の弁護士が多く存在するのもこの労働法の分野の大きな特徴と思います。

例えば法律事務所のホームページを見たりして、司法試験の選択科目が労働法などと記載がされている場合には、その弁護士は労働法の知見については一定程度有するのではないかと思います。

 

5. さいごに

いかがでしたでしょうか。この記事が皆様の何らかの参考になれば幸いです。

井上 裕貴
弁護士
井上 裕貴

この記事の執筆者

東京都出身。複数の法律事務所勤務を経て独立。NHKニュースウォッチ9、テレビ朝日報道ステーション等のテレビ局取材多数。
日経新聞、読売新聞、朝日新聞、ダイヤモンドZAi等の新聞雑誌のコメント掲載実績も多数。
弁護士会や社会保険労務士会等での講演も多数引き受ける。