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児相対応を弁護士に依頼するとケンカを売っている・敵対的・強硬な姿勢を示していると思われ不利になる?と心配している方に必要な全知識

「児童相談所の対応を弁護士に依頼すると、児相にケンカを売っている・児相に敵対的な態度を示している・児相に強硬な姿勢をしめいているなどと思われ不利になる・・・?」と心配してはいませんか?

このページでは児童相談所の対応を親権者から多数依頼を受け実際に児童相談所と多数の対応を行ってきた弁護士が、この心配は少なくとも専門的に対応を行ってきた弁護士に関して言えばありえない、ということを分かりやすく説明いたします。

実際にこのような質問を受けることが非常に多いので、可能な限り分かりやすく説明させていただきたいと思います。

1. そもそも児相の対応が間違っている場合

最近では、国家賠償訴訟において児童相談所側が敗訴判決を下される場合も複数存在いたします。また、引き続いての一時保護の延長を求める審判(33条審判)やいわゆる28条審判においても、児童相談所側も申立てが認められないケースというのも存在いたします。

当事務所においても複数件、引き続いての一時保護の延長を求める審判(33条審判)において児相側の申立てを退けたケースや28条審判において児相側の申立てを退けたケースもございます。

加えて、当事務所においても現に複数件、児童相談所の業務に関連し、国家賠償訴訟の提起を行っております。このように、児童相談所の対応がそもそも誤っている、というケースも存在するのです。

2. 三権分立について

そもそも日本においては皆様のご存知のとおり三権分立が制度として存在いたします。児童相談所(行政)が誤った場合、それを変えるには国会(選挙・国民)によるか、裁判所によることしか制度上ありえないと思います。

児童相談所は特に国会(選挙・国民)という観点で考えると、現在は児童を一時保護して簡単に返してしまって何か事件が起きてしまうとマスコミをはじめ多くの国民から袋叩きにあうという恐怖からなかなか一時保護解除を行わない、というのが現状だと個人的には理解しています。

一方で、速やかに一時保護解除を行うことが相当な事案も多数存在することも十分理解しています。児相が一時保護を安易に解除しない場合、最終的に頼ることができるのは裁判所しかないというのが今の日本の現状です。

そのため、児相対応に関連して専門的な弁護士が対応を行った場合には、これが裁判になるかもしれないということで児童相談所が襟を正すケースが通常です。

3. ケンカを売るというイメージ

何故弁護士を入れるとケンカを売るイメージになるのかというと、弁護士には裁判というイメージが強く根付いているからだと思います。ただ、実際には児相担当者と親権者が無意味に何度も面接だけを重ね時間だけが過ぎていく・・・というケースが多数存在いたします。

少なくとも専門的に対応を行っている弁護士であれば、この部分は聞かなくていいのか?と児相側に助け舟を出したり(それが一時保護解除を行うのに必ず必要な事項であったりします。)児相担当者と親権者が言い合いになって面接だけが終了するという事態を避けることが可能です。

ですので、書面での申し入れを含め冷静な協議を行うということが弁護士の仕事であり、裁判を行い喧嘩を売るというイメージは少なくとも児相案件を専門的に対応している弁護士であればありえない所業だと思います。

4. 小括

要するに、ケンカを売るイメージというのは、少なくとも児相対応を専門的に対応している弁護士にはあてはまらないものと考えます。児相対応を専門的に行っている弁護士はどのように対応すれば児童を早く家庭復帰できるかを第一に考えますので、無意味に児相側にケンカを売る、ということはございません。

また、これに伴い児相側の態度が強行になる、ということも現実にはございません。仮に強行な態度云々という話があれば、すでにそれは児相が強行な態度であったことが全てであり、弁護士が入ったことに伴い強行になるという話ではありません。

というのも、児相側も強行になって裁判を行う・・・というのも非常に面倒だと言うのが本音だと思います。それは親権者側も同じだと思います。ですので、可能な限りなんとかしたい、と児童相談所の担当者自身も1人の人間のため、そのように思っていることが多いというのが現場の実務だと個人的には思います。

どうしても児相が考えを曲げない場合には、裁判で白黒つけるということを行って然るべきだと思います。裁判において虐待を疑わせる事実はない、と認定されているにもかかわらず、虐待の可能性は否定できない、として対応を続けるという児童相談所があるのも事実です(意味がよく分かりません。)。

ケンカを売っている・敵対的・強硬な姿勢を示していると思われることが良くないのではなく、一番恐るべきは最終的に児童の家庭復帰が遅れることである、ということに再度思いを馳せていただき、一度専門的な対応を行っている弁護士に相談を行うことを強くおすすめいたします。

井上 裕貴
弁護士
井上 裕貴

この記事の執筆者

東京都出身。複数の法律事務所勤務を経て独立。NHKニュースウォッチ9、テレビ朝日報道ステーション等のテレビ局取材多数。
日経新聞、読売新聞、朝日新聞、ダイヤモンドZAi等の新聞雑誌のコメント掲載実績も多数。
弁護士会や社会保険労務士会等での講演も多数引き受ける。